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3ヶ月ぶりのH病院 [病気及び治療経過]

 3ヶ月ぶり、正確には12週ぶりのH病院の診察日である。数キロしか離れていないG大病院は駅から遠いので、車でせかせかと行かざるを得ないのだが、こちらの病院は、徒歩で10分程度なので、本でも読みながらゆったりと電車でいつも行っている。駅を出ると抜けるような青空だ。澄んだ空を見上げているとなんとなく幸福感が湧いてくる。雪国の人の冬の辛さも偲ばれるが、それはそれで、雪の風情が何かをもたらしてくれるのだろうと、他所の苦労はあまり深くは考えない。歩きながら、ちょっといかめしい、しかし真剣に副作用の有無を心配してくれるO先生の顔を思い浮かべる。ふかふかの白い応接セットが楽しみでもある。
 そういえば、昨日も青空の下を歩いた。神奈川の植物園を2、30分で急いで巡ってきた。娘の所に手伝いに来たおまけの散策だ。澄んだ空は今日と同じ。風もあるのかないのか、自分が止まってみないとわからない程度の微けさ、それも今日と同じだ。菊の展覧会をやっていた。丹精こめた様々な種類の菊が行儀よく並んでいた。こんなに手間隙かけて、自然界の植物で芸術作品を創ってしまう人々がたくさんいる国は、おそらく日本ぐらいしかないだろうと、同邦の隣人を敬意を以て改めて見直す思いだ。

P1000550 大船植物園菊花.JPG

 静かな秋の日はいつも幸福感をもたらすかと言えばそんなことはない。穏やか過ぎて寂しくなる。若い人にとっては恋人を思う季節かも知れないが、私の齢では、ましてや連日片付け作業をしていて、亡き親や姉の遺品などを整理していると、帰らぬ日々が懐かしく思い出され、この世にいないことを今さらながら悔やんだりする。期待に副えなかった自分の一面を申し訳なく思ったりもする。秋は寂しい季節だ。
 それでも日の下を歩くと、そして澄んだ空を見上げると気持ちが一変する。(そう言えばお袋の歌集のタイトルは「空」だった。)まばゆい日差しの下に整列した菊とそれを愛でる人の群れ、黄色く色付いたイチョウの木、その上に果てしなく広がる青い空、時折聞かれる鳥の鋭い声…そんな中を歩いていると、平和だなあ、幸せだなあ、という思いが自然と湧いてくる。しばらく味わっていると、ふと「積極的平和主義」という政治家の言葉が、急に不協和音となって耳に響いてきた。
 平和に積極的も消極的もあるまいよ。彼の人は何を言っているのか。平和も幸せもわかっちゃいないんじゃないかなあと、政治の現実が急に影を投げかけてきた。これは詭弁だなあ、まやかしの言葉だなあと、秋の日の下で確信した。この頃「今年の流行語大賞」などという話題がもてはやされているが、「今年の詭弁大賞」というのを創設したらどうだろう、一位は「積極的平和主義」、二位は「完全にブロック」、三位は…などとちょっと考えてしまった。
 昨日はそんなことがあったなどと思い出しているうちに病院に着いた。珍しく2、30分待たされたが、座り心地を楽しんで、備え付けの雑誌を読んでいたのでくたびれることはなかった。さて先生の前では、「特に困っていること、心配なことはございません。便が固くなったときに少し出血することがあるので、その薬を10日分もいただければ、安心していられます。」と希望を述べ、患部への挿し薬と便通用の飲み薬をいただいて、診察費と薬代650円也をお支払いして帰路に着いた。次回は2月の半ばだ。
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