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飛行機に乗っているようなもの [生活エッセイ]


 病気とあまり関係のない政治ネタは、「日本の政治と地球の未来」というブログのほうで書いていた。どうしたものか、与党と政府がいわゆる右寄りで、「集団的自衛権の行使」「自衛隊の海外派遣」「特定秘密保護法」「武器輸出の規制緩和」・・・そんなことばかりやりたがっている。国民主権の民主国家というより、戦前の国家主義を彷彿とさせる政権運営で、危機感を募らせている。

 そこで、これまでブログに書いてきたことを本にしようと思い立った。一人でも多くの人と、日本の歩み方について、これでよいのかどうか、共に考えてみたくなったのだ。そして三月の中ごろから、育爺家業の合い間を縫って、ワードにまとめ始めた。タイトルは『友よ、戦争をしない世界を創ろう!』一通りまとめたあと、章の構成はどうするか、目次をどうするかなど方針を決め、調整をし、一応のまとまりをつけた。そして編集出版を手掛けている友人のところに原稿を送り、共同作業が始まった。

 お他人さまの眼が入ると、修正個所も増え、細かな校正作業もあり、空き時間には気合を入れてこれを行った。なにしろ、遅くなればなるほど、読者に古いものを読んでもらうことになってしまうのだ。そして、
「よーし、これで校正作業も終了だ、章替わりも奇数ページだし、写真も入れた。表紙カバーの案も固まったぞ。やっとこのプロジェクトも終了だ」と思ったのが、先週の金曜日の夜のこと。さっそく編集人にメールで送付。

 日曜日には久しぶりで隣の県の温泉まで家人を乗せていく余裕。

 ところが、その日も、次の月曜日も、編集人から沙汰がない。しびれを切らせて、火曜日(昨日)には、携帯電話にメールを送る。昼休みに会って編集会議をしようと。いろいろ兼業されていて超多忙な編集人から「今日のランチタイムは1時15分からだから、例の神社に1時20分頃着てくれ」との返信あり。

 雨の中、社の屋根の下で編集会議は進む。編集人は弁当を食いながら。こちらは、もらった缶コーヒーを飲みながら。
 で、その時、一大事が発覚する。1ページの「はじめに」の前に「扉」が入るので、ページがずれるという。扉はカウントしない手もあるが、どっちにしても、ページが増えて8の倍数からはみ出すので、コストは上がり、紙に無駄が出るという。

 どちらも好かないので、どこかで1ページ削ることにする。目次の前で削れば、ページにずれが生じないので、「はじめに」を1ページ端折ることにする。もともと「はじめに」は長いので短くしたかったのだが、削るところが見当たらなくて長いままになっていたのだ。それでも、コスト削減と省資源のためでは頑張るしかない。火曜の午後はまた自分の原稿とにらめっこ。

 そして夕方、仕事帰りの編集人に寄ってもらう。ベルクのロースかつ重(400円弱でした。訂正します)を用意しておいて、それをがつがつ食べながら再び編集会議。

 それから、お互いに夜の仕事(夜まである仕事&雑用だよ)を終えた10時ごろから、メールでキャッチボールを開始。中身が確定し、表紙カバーが確定し、奥付けも決まった。それを編集人がPDFファイルにしてくれた。いよいよ、原稿が確定したぞとホッとしたのが大体真夜中だった。風呂に入って1時半ころ寝たのだった。

 ところが翌朝、朝の雑事を済ませて10時頃メールをのぞいてみると、編集人から1通届いていた。「印刷所に発注しました」とタイトルにある。あれから、本体の表紙を作り、3時ごろ発注したとのこと。メールの最後に
「印刷所に入稿済みだと、もう手を離れましたので、何があっても手が出ません。飛行機に乗っているようなものです。手放しで子守りができますね。では。」とある。

「そうか、原稿が飛行機に乗ったか」国際線に乗ると「もう引き返せないぞ、降りたら異国の地だ」ってちょっとした緊張感が背中を走るものだ。でもその緊張感を経ないと海外には行けない。久しぶりにそんな緊張感を思い出した。でもすぐそのあとに「手放しで子守りができますね」とあるので、そうだ、これでいよいよほんとうにこの作業は終わったぞとホッとしたのだった。

 かくして、ふたりのコラボがひとつ完成した。思えば、ふたりだけではなかった。数人と深く係わり合ってひとつの本が生まれたのだった。物は今月の末ころできてくるとのこと!

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