SSブログ

3ヶ月ぶりのH病院④ [生活エッセイ]


 先週の金曜日に、放射線治療を受けたH病院の三ヶ月検診に行ってきた。検診といっても検査は特にない。体調の報告が主だ。
 前回G大学病院で受けた血液検査の結果表と、電車の中でできるものと、汗拭き用のタオルと、冷たいペットボトルを一本持って、駅に行くと、間もなく高崎行きが入ってきた。
 午前中の下り電車は夏休みでもすいていた。車中では、目下、隣のブログ(「日本の政治と地球の未来」)で、安倍総理の著書「美しい国へ」から見える人物評を書いているものだから、その仕事?が進むように、要旨の抜き出し作業にいそしんだ。本から知り得た安倍さんのことを書けばいいのだから、本全体の要旨を書く必要はないのだが、読後の印象だけで書くと、大雑把で、読者に根拠が伝わらない主観的な人物評になりかねないと思うのだ。そこで、できるだけ簡単に要旨を紹介しながら、その流れに沿って思うことを書き添えることにしているのだが、これが結構手間がかかる。
 などと思って鉛筆で線を引いていると、たちまち一つ手前の倉賀野駅に着いた。窓を見ると水滴が幾粒も垂れている。雨が降っているのだ。これには驚いた。そういえば雨の予報も出ていたから、驚くほうが驚きなのかもしれないが、連日の暑さのために、暑さ対策しか考えていなかった。
 高崎で乗り換えて数分で最寄り駅に着いた。やはり雨だ。まだ小雨だから、濡れるのを覚悟で、歩いて行ってしまうことにした。タオルを肩にかけて、急ぎ足で病院に向かった。
 濡れ鼠というほどのこともなく、無事に、予約時間の30分ほど前に着いた。
 診察前にすることがあった。友だちの友だちが、放射線治療で入院していて、見舞うことになっていた。もしかしたら予定の照射を終えて退院してしまったかもしれない微妙な時期だったが、南病棟3階の廊下でばったり行き会えた。入院中、WBC等をよくテレビ観戦した談話室のようなところで話をした。昨日で30回の照射を終え、今日退院とのことだ。治療半ばで一時帰宅していた時に、血尿が出て排尿時に痛みもあるとのことで電話で相談を受けたが、その後は治まっているとのこと。退院を控え、明るい表情だったので、安心した。
 ところでせっかく病棟に上がったついでだから、入院生活を楽しくしてくれたKさんという看護師さんの消息を、ナースステーションで尋ねてみた。すると、なんと、もう辞めてしまったとのことだ。ブログに書かせてもらったり…いつかまたお会いできるのではないかと思ってもいたので、こいつはちょっと残念な知らせだった。
 それからとぼとぼ階段を下りて、腫瘍センターの受付に行き、いつものアンケート用紙をもらって、待合室のソファーに腰を沈めた。
 用紙をよく見ると「国際前立腺症状スコア I-PSS」と書いてあった。質問は全部で7問。残尿感があるかどうか、2時間以内に行きたくなるかどうか、途中で切れる感じがあるかどうか、我慢するのがつらいことがあるかどうか、勢いが弱いと感じることがあるかどうか、開始時にいきむ必要があるかどうか。以上の6問については、回答の選択肢が6個用意されている。「全然ない」が零点、「5回に1回未満」が1点、「2回に1回未満」が2点、「2回に1回程度」が3点、「2回に1回より多い」が4点、「ほとんど常に」が5点となっている。第7問は床に就いてから起きるまでに何回行くか。これは回数がそのまま点数になる。
 最後に、QOLスコアというのがある。「今の排尿の状態が生涯続くとしたら」という問で、選択肢は「大変満足」「満足」「大体満足」「どちらでもない」「不満気味」「不満」「大変不満」とある。(「」付きになっているが、大急ぎで要点だけをメモしたので、必ずしも用語が合っているかどうかはわからない。)
 私の場合、残尿感はほとんどなく、2時間以内に行きたくなることがたまにあり、途中で切れる感じはなく、我慢するのがつらいことがたまにあり、勢いが弱いと感じることはなく、いきむ必要はなく、夜中に起きることは1回で、スコアは4点だった。QOLスコアのほうは、「満足」である。
 大変良いスコアだが、家に帰って落ち着いて考えてみると、今は暑い時期で、汗かきの私は当然小便の回数は減るのである。ちょっと涼しい日は、もっと頻繁に行きたくなる。小便の勢いも、特別弱くはないが、若い人と比べれば、相応に弱いであろう。ということは、このスコアは、当人の楽天度をかなり反映したものと言えよう。それで良いのだろうかとも思うが、「病は気から」と言うから、気が病んでいないということもデータとして意味があるのかもしれない。実際、気だけでなく、私が膀胱に受けたダメージは少ないと思えるので、有り難いことである。
 排尿よりも排便に、私は気を遣っている。少量で回数が多く、面倒くさい。たまに固いことがあり、少しばかり血が滲むことがある。そんな時はいただいた座薬を寝る前に挿すと、一両日で治る。順番が来たときに、先生にそんな話をする。それから、前回は腰回りが痛くて先生に相談したが、あの痛みはあれから一月ほどで雲散霧消、今はどこも痛くなく、また小走りも平気ですと報告する。
 先生は血液検査の結果に目を通し、「いいですね、PSAが低いままで。ほかも特に心配はありませんね。また、同じ薬を出しておきましょうね。次回はまた3ヶ月後で…」
 外の待合室で、アルフォンス・ミュシャの壁画や窓の外の風景を懐かしく眺めていると、看護師さんが薬を持ってきてくれる。受付に呼ばれて、また千円でおつりをもらって、有り難く病院を後にする。
 雨は止んでもいないが強くなってもいなかったので、またタオルを肩にかけて駅へと急いだ。涼しい通院だった。

2014080810480000.jpg
    小雨の最寄り駅(駅は田舎だが…)
 






nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

関東は猛暑3ヶ月ぶりのG大病院④ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。